IT未経験転職で悩む「MOSやITパスポートは本当に必要?」について解説します!

転職で資格は必要なのかの記事のアイキャッチ 未経験からのIT挑戦!

IT業界に未経験で挑戦しようとする際の悩みのひとつに「資格は持っていた方がいいのか?」というものがあると思います。未経験の方向けの情報で、その取得のしやすさから特によく名前が出てくる資格である「MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)」「ITパスポート」

MOSやITパスポートについては「取得をおすすめ!」であったり「絶対おすすめしない!」であったり意見がいろいろです。

そこで今回は、資格が無くてもIT業界に転職できるのか?資格がなくても活躍できるのか?資格を取得するとしたらどれがいいのか?を現役でIT業界で採用活動もしている私の目線で解説していきます!

あわせて、「資格取得ではなくプログラミングスクールへいこう!」も多いパターンかなと思いますが、当ブログではそもそもIT未経験での転職はテストエンジニアという選択肢も考えてみてほしいと考えています。

💡 テストエンジニアがオススメな理由についてはこちら


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IT業界での転職で資格は重要?

結論からお話しすると、IT業界での転職で資格が重要視されることはほとんどありません!特に未経験OKの求人の場合は人柄やその他の条件(どのくらい働けるかなど)の方が重視されます。

これはMOSやITパスポートという特定の資格に限らず、どの資格であっても「この資格があれば採用率大幅UP!」みたいな話や「応募の必須条件になにかの資格が必要」などという話はほぼありません。

採用側の目線としても、あくまで参考程度に見ています。そして、そもそもIT系の採用をしている人が「資格にあまり詳しくない」ことが多いので「参考程度に見るしかない」「なんとなくのイメージで評価する」という事情もあります。


「ほとんどありません」や「ほぼありません」という書き方をしているのは、職場によってはある程度重要視されることもあるからです。

ということで、資格が必要かどうかは転職先によるので、転職先に目星をつけてから求人の「応募資格」などに何かの資格が必要であることが記載されていれば取得する、というスタンスで問題ありません!

例として、テストエンジニアの経験者採用ではテスト系資格を持っていることが歓迎要件になっていたりすることがありますし、派遣先で働くタイプのプログラマーやシステムエンジニアなどで基本情報技術者のような資格を持っていることが歓迎要件として記載されている場合があります。

資格取得はおすすめできない?

前述のとおり、IT系のエンジニアの場合はどんな資格でも持っていることで有利になることはあまりありません。そのため、「IT系の転職で有利になる」ことを目的にするのであればおすすめできません!

ただ、学習のきっかけとして資格を利用するのはおすすめできます。

IT系の知識は「検索すればOK」みたいなノリのことが多く、それはたしかにそうなのですが「何が分からないのか分からない」ような段階で検索を駆使して知識を仕入れていくのはなかなか骨が折れます。こういった場合に、資格取得を目指す教本などはある程度知識が体系的にまとめられているので学習をすすめる助けになってくれますよ!

取り組むならITパスポートがおすすめ!

ここからは、未経験でIT業界へ飛び込もうとしている皆さんが、IT系の資格とどのように付き合っていくのがいいのかをお伝えしていきます。

MOSとITパスポートってなに?

説明を進める前に、MOSとITパスポートがそもそもどんな試験なのかを見てみましょう!

ITパスポート

【ITパスポート試験】iパスとは

ITパスポートは、社会人として最低限必要なITに関する知識を持っていることを証明する国家試験です。合格すると日本の卒業証書みたいな合格証がもらえるのでなんだか嬉しくなります。

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)

MOSとは/取得のメリット|MOS公式サイト
Word、Excel、PowerPointなどの利用スキルを証明する国際資格、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)。パソコンスキルが習得でき、就職や転職の際、資格とし...

MOSとは、Microsoft Office (Excel, Word, PowerPointなど) がどれだけ使えるかを測る民間の試験です。合格するとアメリカの卒業証書みたいな合格証がもらえるのでなんだかウキウキします。

MOSとITパスポートはどう活かせる?

MOSとITパスポートについてざっくりわかったところで、これらの資格がどう活かせるのかを見ていきたいと思います。

職歴に空白がある場合

もし現時点で職歴に空白期間がある場合、面接で「その間は何をしてましたか?」というような話になる場合があります。そういったときに「この期間でこういう勉強をしていました」みたいな話ができると気分的に楽です。

職歴に空白があることは悪いことではないですし、採用側もそれを理由に採用可否を決めたりはしませんが「こういうことをやっていた」と簡潔に説明できると印象がいいと思います。

面接はどうしても緊張すると思うので、「気分的に楽」ということは効果として大きいと思いますよ!

MOSの活かし方

MOSに関しては、ピンポイントですが「パソコン教室の講師」を目指す場合には優遇してくれる可能性があります。また、「事務職」を目指す場合に転職活動で役に立つことがある印象です。

IT系のエンジニアでOfficeソフトをバリバリ使うことは求められていないのもあり、当ブログの方針としてはMOSの取得に時間を使うことはあまりおすすめできません…!

※最低限必要な操作スキルはこちらの記事などを参考にしてみてください。

書籍で勉強したい場合は逆引きタイプの書籍がおすすめです。

※逆引きタイプの書籍の例
逆引き!Excel実務ワザ大全(楽天ブックス)
Excel関数逆引き辞典パーフェクト第3版(楽天ブックス)

ただ、資格取得のために勉強したことがまったく無意味なんてことはありません!

勉強にあたって何もとっかかりがないような場合や、職業訓練などで後押ししてもらえる場合、転職先がMOSの取得を奨励している場合など、状況によって取得するかどうかを検討してみてください。

ITパスポートの活かし方

ITパスポートは転職活動で直接的に評価されることはまずないと思います。

ただし、ITパスポートの学習内容は「基礎だからこそ知っておいてほしい」前提知識に近い内容が多く含まれています。そしてこのような知識は「ITリテラシー」と呼ばれる範疇で、誰かが教えてくれることもあまりないと思います。

そのため、資格を取得するかしないかはともかく、未経験でこれからIT業界で働くのであれば勉強だけはしておくことをおすすめします。勉強のしかたは次の項目で解説していきます!

ITパスポートはどう勉強すればいい?

知識だけ必要な場合

ITパスポートの勉強は、ITパスポートの試験範囲について分かりやすく解説されている書籍を読むだけで十分です!

学習に使用する書籍はキタミ式が圧倒的におすすめです!ひとつの学習内容が見開きでまとまっているので読み進めやすいですし、イラストや、やさしい文体のおかげでわかりやすいです。

ネットよりも書籍がおすすめな理由としては、冒頭に書いたとおりネットだと情報が体系的にまとまっていないので読みづらく余計な時間を取られる可能性が高いからです。

こういった書籍は電子書籍でも販売されていますが、紙書籍の方が読みやすいのでおすすめです。ある程度厚さがあるものが多いので邪魔になるのが難点ですが…知りたい情報をさっと探すのは紙書籍がやっぱり楽ですよ!

前提知識や常識みたいなレベルにもかかわらず、教えてもらえることもほとんどない、というなんだか矛盾した感じの内容なのでとりあえずITパスポートに関する書籍は一度読んでみてほしいです…!


ちなみに合格を目指さない場合は暗記する必要はまったくありません。職場にもよりますが、ネットにアクセスできることが多く「分からないことを検索するきっかけ」レベルの知識があれば大丈夫ですので時間を使いすぎないようにしましょう。

合格まで目指す場合

もし合格までを目指すならITパスポート試験ドットコムというサイトもおすすめです。こちらは過去問を大量に掲載してくれていますし、それぞれの解説も載っています。

ITパスポートの合格基準は次の通りです。

ITパスポートの合格基準

総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること

https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html

なので、キタミ式を読んだうえでITパスポート試験ドットコムの過去問をやってみて、合格ラインである6割を超えられるようになったらOKです!

合格に必要な学習期間は?

ITパスポートは基礎的な内容とはいえ、扱う範囲が結構広いです。そのため、1日あたり1~2時間勉強したとして、ざっくり1ヶ月~2ヶ月くらいの学習期間を見ていただくのがいいかなと思っています。

現在仕事をしていたり、家事が忙しいなどで時間がとれない場合は、合格まで目指さず教科書を読んで情報を仕入れるところまででやめておくことも視野に入れてください…!もちろん働き始めてから勉強するのでも遅くありません!

人によってはまったく勉強しなくても合格できる可能性もあります。そのため自信がある場合は、まずはITパスポート試験ドットコムで過去問をやってみてどのくらいの点数になるか確認してみてください。

MOSやITパスポートは履歴書に書くべき?

もしMOSやITパスポートを持っていたとして、それを履歴書に書くべきか?という問題があります。これはサイトによっては「書くとむしろ評価が低くなる」というような情報があったりもするので悩んでいる方もいらっしゃるかもしれませんね…。

実際に採用活動をしている私の意見としては、未経験での転職活動ならばITパスポートは基本的に書いておいてまず問題ないと思っています。

MOSは本当に職場次第だと思いますが、もうすでに持っているのであれば書いておいてもいいと思います。


これらの資格は取得していることで直接的に転職活動が有利になることは少ないのですが、話のネタになる可能性があります。

転職活動において有利になることが少ないこれらの資格を「なぜ履歴書に書くのか?」ということを考えたとき、

  • 未経験だけど学習意欲があって
  • 自学自習の習慣がついていて
  • この業界に興味がある

ということをアピールするための話のタネとして有用だということに気が付きます。

一方で、「この資格を持っているので私は即戦力として貴社に貢献できます」みたいなアピールをしてしまうと、採用側も「あんまり仕事のイメージができていなさそうだな」と不安に感じるかもしれませんので、あくまで「勉強しました!」ぐらいのスタンスがいいと思います!

ちなみに2年目3年目以降のエンジニアの転職でMOSやITパスポートの記載があると、余計にレベルが低く見える現象は否定しきれません…。これは先ほど書いた「未経験だけど学習意欲があって、自学自習の習慣がついていて、この業界に興味がある」というアピールをすべきでないタイミングだからですね。

他の資格はどうなの?

MOSとITパスポート以外のその他の資格については、基本的に職場によって評価されたりされなかったりの違いが大きいので、働き始めてから検討してみることをおすすめします。

場合によっては仕事の幅が広がったり、直接給与にボーナス(資格手当)が付くことがありますよ!

ここではいくつか代表的な資格について簡単に説明します。

基本情報技術者試験は?

基本情報技術者試験は簡単に言うとITパスポートの難しい版みたいな試験で、実はITパスポートも基本情報技術者も同じ「情報処理技術者試験」のくくりの一つです。※情報処理技術者試験の区分はこちら

基本情報技術者試験は合格に必要な学習時間がかなりかかると思います。その割に転職活動でそこまで評価されない印象なので、未経験でIT業界への転職を目指す場合には基本的におすすめしません!

新卒採用などで「けっこう勉強したんだね!」ぐらいの評価になるイメージです。

もし求人に「あると活かせる資格」みたいに書かれている場合は「勉強中です!」と言ってみるのはいいかもしれません

他の情報処理技術者は?

基本情報技術者試験以外にも応用情報技術者試験やその他のスペシャリスト的な資格もあります。

これらの資格は「情シス」とか「シス管」と呼ばれる部署で、さらにそこの管理職に直接転職するような場合だと持っていることを評価されるイメージです。ただ申し訳ないのですが、私自身がこれらの資格を持っている人を採用活動で見たことが無いので何とも言えません…。

テスト系資格は?

JSTQBやIVECなどのソフトウェアテスト系の資格はテスト業務の経験も込みで初めて評価される資格です。そのため、働き始めてからの取得をおすすめします。

全般で役に立つ資格はないの?

ここまで読んでいただいた方は「転職で有利になる資格ってまったくないの!?」と思っているかもしれません…。資格ではなく語学の試験ですが、TOEICである程度の点数を取っていると評価に繋がることがあります。

「英語が出来る人」という求人もそれなりにあって、「自動翻訳がどんどん進化していくのに…」という気分とは裏腹に今も重要視されるスキルです。

点数については個別の求人を参考にしてみてください!単純に職場で英語話者が多い場合、取引先と英語でやり取りする必要がある場合、など職場によって必要なレベルは様々です。

まとめ

今回は資格について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

「未経験OK」の求人では結局のところ資格が重視されることはあまりなく、他の要因で採用が決まることがほとんどです。

そのため、資格はどちらかというと働き始めてからの取得がおすすめです!実際にその職場で必要とされている(評価が高い)資格がわかりますし、意欲を見せるいいチャンスとして利用しましょう。

未経験での転職活動の時点では、「IT系の技術に興味を持っていること」「自学自習ができること」あたりがアピールできるポイントになりますので、ITパスポートなどの学習をうまく利用して転職に活かしていきましょう!

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