未経験でも「売り込める経験」はたくさんある!【IT業界転職での面接対策】

未経験でも売り込めるスキルの記事のアイキャッチ 未経験からのIT挑戦!

未経験での転職において、面接で聞かれる可能性のある「採用されたら会社に貢献できること」という話。「いやいや未経験なのに貢献できることも何もないよ!?」と悩んでいませんか?

特に「エンジニア」というと、プログラミングの能力であるとか、テストエンジニアであればテストの経験など、専門的なスキルばかりに目が行きがちですが、実際の業務では多様なスキルが役に立ちます。

つまりIT未経験でもアピールできるスキルは実はたくさんあって、そういったアピールができると印象もよくなりやすいです!

今回は未経験でITエンジニアを目指す方に向けて「どんな経験を売り込んでいけるのか?」ということを詳しく解説してみたいと思います!

※プログラマーの場合は基本的にポートフォリオを作成すると思いますので、その制作過程と制作に向けた学習をアピール材料として最初から組み立てておくと思います。今回はそれ以外に売り込める経験について解説します!

どんなスキルが必要?

ITエンジニアのお仕事は大雑把にいえば「システムの開発(テストを含む)」ではあるのですが、朝から晩までパソコンに向かってシステムと対峙し続けているだけではありません。

ではそんなエンジニアにどんなスキルが求められるのかを見てみましょう!

エンジニアに求められることが多いスキル

自学自習のスキル、習慣

エンジニアとして働く場合には、多様なサービスやソフトウェアを使うことになります。ここ最近で言えばAIの業務利用などは多くの方が関心を持っていると思いますし、今後もいろいろな新しいサービスやソフトウェアが登場していきます。

IT関連の知識はかなり幅が広いので、基本的には仕事の幅を広げようと思ったり、スキルアップを目指そうとした場合は、自学自習が必須になります。

もちろん各企業で研修など実施している場合もありますし、新しい技術を取り入れて実戦経験を積ませようという施策をしている場合もありますが、その場合でも完全に受け身でいると自学自習の習慣を持っている人に比べると大幅に不利になることは否めません。

コミュニケーションのスキル

開発業務は広く見るとひとりで完結することはほとんどありません。一方で、業務時間はひとりで黙々と作業をしていることが多いです。

なんだか矛盾した話のようにも思えますが「個々人の成果を結集する」というような作り方なんですよね。

これはつまり、コミュニケーションが苦手な方でも活躍できる場があるし、コミュニケーションが得意な方でも活躍できる場があるということです。

ただ、「エンジニアはひとりで黙々とできる」というイメージが先行してか、コミュニケーションが苦手な方が多くなりがちです。そういう事情も含めてコミュニケーションスキルは喜ばれます。

一般的な問題解決のスキル

「問題解決力」というとなんだか仰々しいですが、つまり「困りごとを解決できるか?」ということです。これはおおよそ次の3つの「力」だと考えることができます。

  • 困りごとの原因を突き止める力
  • その原因を取り除く方法を考える力
  • その原因を取り除く方法を実践する力

これらは簡単にいうと、以前別の記事で書いた「目的地と現在地のギャップがやるべきこと」ということを実践できているか?という話になってきます。

基本的に「ずっとなんの問題も起こらない仕事」というものはないので、問題解決のスキルはやっぱり必要になってきます。

様々なサービスの知識、利用経験

「自学自習のスキル」に書いたことと近いですが、いろいろなサービスやソフトウェアに興味を持って「実際に触ったことがある」ということがかなり役に立ちます。

例えば「会員登録」や「課金」の機能を新規に開発するとなったとき、その方法はユーザーが迷わないように作りたいですよね。そういったときに色々なサービスを使ったことがあれば「最近ネットショップだとこういう方法が多いよね」だったり「先週リリースされたあのアプリはこんな方法になっていて使いやすかったよ」などという話が出来ます。

テストエンジニアであれば、テストをするシステムを「使いこなして」隅々まで触る必要があるので、似たようなシステムの利用経験が活かせるのは言うまでもありません。

別業種の仕事内容でも活かせる!

ここまでで、実はエンジニアにはいろいろなスキルが求められている、ということが分かりました。これらのスキルが実際の「経験」と繋がってくると、説得力を持ってアピールすることができるようになります。

ここでは、IT業界未経験のみなさんが「別業種のどんな仕事内容を売りにできるのか」を見ていきましょう!

接客や営業経験

コミュニケーションのスキル:◎
一般的な問題解決のスキル:◎

コミュニケーションのスキル

社内での会話はもちろんですが、開発業務は一社で完結しないことも多いので取引先との会話も出来てきます。

「ひとことも喋りたくないので技術者を志望する」というのがありがちだからこそ、顧客対応や交渉経験がある人は喜ばれます。

一般的な問題解決のスキル

基本的に開発の仕事は「自分たちで使うものを開発」することより「顧客が使いたいものを開発」することのほうが圧倒的に多いです。

こういった開発の場合に、顧客視点で考えていた経験があることはメリットとして受け止められますよ!

事務職経験

自学自習のスキル、習慣:◎
様々なサービスの知識、利用経験:◎

自学自習のスキル、習慣

事務職の場合は効率よく仕事をこなすことを意識されている方も多いのではないでしょうか?

そういった場合に「Excelのマクロを自分で勉強して表作成を効率化した」であるとか「タスク管理のフレームワークを学習して仕事に活かした」などの経験がある人は「自学自習が出来る人」として評価されやすいです。

様々なサービスの知識、利用経験

ExcelやWordなどのOfficeソフトを利用されいている場合は「業務で利用していた」と言えることで「使い慣れている」ことが分かりやすいです。

また職場にもよりますが、給与計算システム人員管理のシステムなどの特殊なソフトを業務で利用していたりする場合もあると思います。こういったツールは案外利用経験者が少ないので重宝されたりします!

リーダー経験

コミュニケーションのスキル:◎
一般的な問題解決のスキル:◎

コミュニケーションのスキル

チームをまとめたり、プロジェクトを管理する場合は必ずコミュニケーションの問題が出てくるので、リーダー経験のある人は評価されやすいです。

一般的な問題解決のスキル

リーダーという立場だと、小規模なマネジメント業務のようなものが発生する場合も多く、計画性が必要になってきます。作業の期限や人員のシフトなど、計画、実行を通して見たことがあるとアピールになりますよ!

フリーランスや副業の経験

自学自習のスキル:◎
様々なサービスの知識、利用経験:◎

自学自習のスキル、習慣

フリーランスで活動していたり、副業の経験がある方はその仕事について自分で調べて自分で勉強してきた場合が多いと思います。

また、自ら仕事を見つけて、顧客対応をしたりもしたという経験は、自立的なイメージを与えることができるかもしれません。

様々なサービスの知識、利用経験

例として、確定申告をする場合であれば専用のソフトの利用経験であるとか、ネットショップを運営していたのであればその管理画面(CMSと言います)の利用経験などは、みんなが経験しているものではない特殊な経験として受け取ってもらえるかもしれません!

副業経験の場合、「本業に支障が出ないようにやっていたこと」や、転職先が副業NGの場合は「すでに辞めていること(辞める予定が立っていること)」などをしっかり伝えましょう。

採用活動は「相手がどんな人かよく分からない」という状態で進んでいくので、相手(この場合面接官など)の不安を取り除いてあげるような配慮が必要です。

趣味レベルでも活かせる!

さて、実際の業務経験として活かせそうな経験についてお伝えしてきましたが、趣味レベルでも経験としてアピールできるものはいろいろあります。

特に趣味の場合は熱意を持って取り組んでいることも多く、面接の話のネタになったりもするので、アピールできそうな経験がないか考えてみましょう!

専門性の高いソフトウェアの使用経験

自学自習のスキル:◎
様々なサービスの知識、利用経験:◎

専門的なソフトウェアを使った経験は、趣味レベルであっても新しいツールを習得する能力や問題解決能力をアピールできることがありますよ!

アピールできそうなソフトウェアの例
  • Photoshop, IllustratorなどのAdobe系ソフト
  • DaVinci ResolveなどのAdobe代替ソフト
  • Unity, Unreal Engine 5などのゲーム開発環境
  • Android Studio, Xcodeなどのアプリ開発環境
  • Cubase, CLIP STUDIO PAINTなどのアーティスト系の制作環境
  • FigmaなどのWebデザインツール
  • RedmineやBacklogなどの管理ツール
  • Githubなどのコード管理ツール
  • WordPressのようなCMS

そのソフトの名前を言って伝わるレベルの知名度は必要です…!

やや特殊な環境での作業経験

自学自習のスキル:◎
様々なサービスの知識、利用経験:◎

LinuxやRaspberry Pi(ラズベリーパイ)など、一般的な環境とは異なる環境での作業経験は、柔軟な対応力や新しい技術への興味、適応力をアピールできます。

MacOSはメジャーと言えばメジャーなのですが、一般に利用されているOSとしては圧倒的にマイナーなので特殊と言えるかもしれません。

「Macでも問題なく作業できる」ということが未経験の段階ではっきりと言える人は多くはないのですが、開発ではMacを利用していることも多く、ちょっとしたアピール材料になるかもしれませんよ!

一見関係なさそうな経験でも…

様々なサービスの知識、利用経験:◎

○○が好き!

例えば「アイドルが好きでVOD(動画配信)サービスを片っ端から見ていた!」などの場合、
各種VODサービスの違いにも詳しく、使い方も熟知していると思います。

他にも、「旅行が好きで地図アプリをよく使う!」という場合、「電車の乗り換えはこのアプリがよくてGPSで現在地を見る時はこのアプリが~」などと話せるかもしれません。

このあたりをどうアピールするかを考える必要はあるものの、意外と何かしらIT系のサービスで詳しいものがあったりするのではないでしょうか?

ゲームばっかりしてる!

IT業界は業界の特性上か、ゲームが好きな人が多い印象があります。

ゲームは新しい技術をたくさん使っていたりもするので、「あのゲームの3D表現が他よりもすごい」とか「あのメーカーのゲームは音にこだわっていて面白い」など少しつっこんだ話ができると食いついてもらえるかもしれませんよ!

具体的なアピール方法

ここまでご紹介してきた経験は、実務レベルで実際に役立てることができる内容です。

ただ、求人に書かれている内容に直接つながらない場合が多いと思いますし、伝える際には具体的なエピソードを交えて経験をアピールしたいところです。

IT業界での経験がある場合と違ってこれらの経験を良い印象で伝えるには伝え方を考える必要があります。そこで、いくつか具体例を見てみましょう!

面接でのアピール例

💡 コツは「経験そのものには自信を持って、貢献度については少し謙遜して」

「採用されたら貢献できること」への回答例

例:事務職での経験をアピールするパターン

前職では事務職として「人員管理システム」を日常的に触っていた。

使用感に関しては自分自身だけでなく同僚たちの声も聞いているので、もし類似のシステムの開発(もしくはテスト)案件があれば活かせるかもと思う。

例:営業職での経験をアピールするパターン

他の業界だが、営業職だったため顧客折衝の経験がある。

開発(もしくはテスト)の業務は自社だけで完結しない場合が多いと聞いているので、顧客とのコミュニケーション経験は特に活かせるのではないかと思っている。

例:前職での経験があまりないパターン

前職では一人での作業が多かったが、チームの運営にも興味がある。特にタスク管理やスケジュール管理は得意なので、ある程度経験を積んでからにはなると思うがマネジメントの仕事もしてみたい。

開発(あるいはテスト)業務は数人のチームになると想像しているので、管理面で貢献できるようになれたらいいと考えている。

例:趣味の経験をアピールするパターン①

新しい技術に興味があり、絵が趣味なのでイラスト制作ソフトを使うときにも新機能が実装されたら積極的に使用していた。やや専門的なソフトでマニュアル等があまり親切な作りではないが、自分で実際に試行錯誤しながら習得している。

今は未経験で実際に仕事をしている人に比べると知識も少ないと思うが、好奇心や楽しく試行錯誤できる性格は業務に活かせると考えている。

例:趣味の経験をアピールするパターン②

趣味で動画のオンデマンドサービスをよく利用している。各サービスは「配信されている動画」そのものも違うが、使い勝手も大きく違うことに気が付き、Webサービスの技術の部分に興味が湧いた。

IT業界は未経験だが、似たようなサービスの開発(もしくはテスト)であれば、コアなユーザーとしての視点で取り組むことができるかもしれない。

その他のやりとりの中でのアピール例

例:「IT業界への興味について」の話の流れなどで少し話を広げる

IT業界に興味があり転職を考えたが、未経験ということもありどこから準備に手を付けたらいいのかは悩んだポイント。

まずは動きだそうと思い、書籍と、不足分はネットで情報を補いながらITパスポート(または基本情報技術者)の学習をしている。

例:「IT技術の経験について」聞かれた場合

業務効率化に興味があり、Pythonを「触り程度」だが勉強した。前職ではExcelを利用することもあったため、VBAではなくPythonでの作業自動化に取り組んだ。

実務への投入までは機会がなかったが集計などを自動化したことがある。

💡 「実務への投入までは機会がなかった」という場合でもこういったエピソードとして伝えれば、「業務での経験はないですね…」とだけ言ったのとは印象として大きな差があります。

例:「前職での働き方について」聞かれた場合

少人数ではあるが、チームでの業務だったのでスタッフ間の連携は意識して取り組んでいた。特に、認識の齟齬であとあとになって手戻り(※作業のやり直しのこと)が発生するのは避けたかったので、できるだけ正確に指示や連絡が伝わるように心がけていた。

例:「前職での働き方について」の話の流れの中で少し話を広げる

接客業だったので、お客様と直接会話をしていた。自分が接客したお客様が喜んでくださるのが、一番やりがいを感じたタイミングなので、この業界に入ってもエンドユーザー(※開発したソフトを使う人のこと)の顔を想像しながら業務に取り組みたい。


というわけでいくつか具体例を挙げてみましたが、イメージは湧きましたでしょうか…?

おおよそほとんどの経験は「話し方次第でアピール可能」とも言えるのですが、なるべく具体的なご自身のエピソードと絡めて話すと伝わりやすいと思います!

※もちろん、求人の内容にぴったりな経験やスキルがあれば、それは第一にアピールしてくださいね!

嘘をついたり、過剰にアピールしすぎたりしないようには注意しましょう。面接をする側としては「その話が真実か」を断定することはできないのですが、それでも「あれは嘘かもな…」というのは割と感じるものです。

内容が拙くても一所懸命に話す場合は悪い印象にはなりづらいです。「饒舌でうさんくさい」感じになると印象が悪くなりやすいですね…。

まとめ

今回は、未経験でIT業界へ転職する際に「どういった経験をアピールすればいいのか」を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

実際のところ、求人で「歓迎!」と書いてあることそのままの経験がない場合でも「企業側が別途望んでいる経験」を持っているということはよくあります。

そういう意味で「求人情報に載っていること以上の情報」を持っている転職エージェントに相談してしまうのが手っ取り早いかもしれません。

こちらの記事では転職エージェントを含め、仕事探しの段階について解説していますので併せて読んでみてくださいね!

また、ご自身の経験を見つめなおすことは、面接対策としてだけでなく、仕事探しの場面でもきっと役に立つと思います。

みなさんに素敵なお仕事が見つかりますように!

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